ソフトウェアテストにかかわる資格に、JSTQB認定テスト技術者資格というものがあります。 JSTQB認定テスト技術者資格は、ソフトウェアテストの知識・スキルを証明する国際資格です。この記事ではJSTQB認定テスト技術者資格の概要や取得するメリット、学習方法など把握しておきたい知識をまとめて解説しています。

JSTQBとは

JSTQBとは「Japan Software Testing Qualifications Board」の略称で、日本の「ソフトウェアテスト技術者資格」を運営する団体です。なおソフトウェアテスト技術者資格は世界で通用する国際資格であり、JSTQBを含め各国の運営団体は、国際的な資格認定団体「ISTQB」(International Software Testing Qualifications Board)に加盟しています。

JSTQB認定テスト技術者資格とは

私たちの生活にとって、今やソフトウェアは欠かせません。スマートフォンやPCはもちろんのこと、自動車や家電製品、社会インフラ、企業システムにまでソフトウェアが使われています。

そんな中で、ソフトウェアの不具合を発見するためのソフトウェアテストの重要性も高まっています。JSTQB認定テスト技術者資格はソフトウェアテストについての知識・スキルを証明する国際資格であり、ソフトウェアテストの信頼を維持・向上することを目的として、エンジニアのテスト技術向上を目指して設立されました。

JSTQB認定テスト技術者資格の2つのレベル

JSTQB認定テスト技術者資格
JSTQB認定テスト技術者資格には、「Foundation Level(FL)」と「Advanced Level(AL)」という2つのレベルに分類されます。(最上位の資格として「Expert Level」もありますが、日本ではまだリリースされていません。)

ここでは、これら2つのレベルの概要を紹介します。

Foundation Level(FL)

「Foundation=基礎」とあるとおり、ソフトウェアテストの基礎的な知識が網羅的に問われるレベルです。難易度は高くなく、合格率は過半数を超えることが多いようです。

受験資格なし
試験形式選択式(問題数40)
試験時間60分
試験の日程半年に1回(2月中旬・8月下旬)
受験料22,000円(税込)
合格率第26回FL試験(2019/2/09):48.8%
第27回FL試験(2019/8/24):62.9%
第28回FL試験(2020/2/08):52.0%

Advanced Level(AL)

Advanced Levelはさらに「テストマネージャ」「テストアナリスト」「テクニカルテストアナリスト」の3つに分類され、Foundation Levelで問われるソフトウェアテストの基礎知識を踏まえて、それぞれの専門領域の専門知識が求められます。

テストマネージャとは、ソフトウェアテストの計画・提案・マネジメントを行う役割、テストアナリストはテストケースの選択や実施に関する分析を行う役割を指します。一方、テクニカルテストアナリストの試験については、まだ日本では展開されていません。いずれもFoundation Levelと比べ試験難易度が高く、合格率も低くなっています。

テストマネージャ・テストアナリストの試験概要は、それぞれ以下の通りです。

Advanced Level<テストマネージャ>(ALTM)

受験資格JSTQB認定テスト技術者資格 Foundation Levelを合格していること
テストマネージャとして3年以上の業務経験があること
※業務経歴申請書の提出が必要
試験形式選択式(問題数65)
試験時間180分
試験の日程年1回
受験料22,000円(税込)
合格率第7回ALTM試験(2017/8/26):20.8%
第8回ALTM試験(2018/8/25):26.8%
第9回ALTM試験(2019/8/24):16.12%

Advanced Level<テストアナリスト>(ALTA)

受験資格JSTQB認定テスト技術者資格 Foundation Levelを合格していること
テストアナリストとして3年以上の業務経験があること
※業務経歴申請書の提出が必要
試験形式選択式(問題数60)
試験時間180分
試験の日程年1回
受験料22,000円(税込)
合格率第3回ALTM試験(2018/2/10):22.61%
第4回ALTM試験(2019/2/09):25.4%
第5回ALTM試験(2020/2/08):20.8%

JSTQB認定テスト技術者資格を取得するメリット

ビジネスマン
それでは、JSTQB認定テスト技術者資格を取得することで、どんなメリットが考えられるでしょうか。

まずソフトウェアテストに関する知識やスキルを、体系的に学べる点があげられます。独学でソフトウェアテストについて学ぼうと思っても、何をどう勉強すればよいかわからないでしょう。そこで資格取得を目標に勉強をすることで、ソフトウェアテストについて体系的かつ効率的に学習できるわけです。

また、これらの知識を持っていれば、一定以上の知識・スキルを持っていることの証明になります。特にAdvanced Levelの資格を保有していれば、高いスキルを持つエンジニアであることの証明になるでしょう。就職・転職の際に有利となる上に、クライアントからの信用も得やすくなります。

JSTQB認定テスト技術者資格の勉強法

オンライン学習 イメージ
JSTQB認定テスト技術者資格を取得するには、どのように勉強すればよいでしょうか。ここでは主な勉強方法を紹介します。

JSTQB公式のシラバスを読む

JSTQBの公式サイト(http://jstqb.jp/syllabus.html)から、JSTQB認定テスト技術者資格の取得に必要な学習事項や知識がまとめられた「シラバス」をダウンロードすることができます。これを読み込むことで、資格取得のための勉強になります。

ただしあくまで学習事項が中心となる資料であることから、実際に試験で問題を解くためには、後述する参考書等の勉強を組み合わせた方がよいでしょう。なお上記公式サイトには、シラバスの他、サンプル問題や用語集もあり、試験勉強に役立ちます。

市販の参考書を活用する

JSTQB認定テスト技術者資格に合格するためには、市販の参考書での学習が推奨されます。代表的な市販の参考書として、JSTQB公認書籍でもある「ソフトウェアテスト教科書 JSTQB Foundation 第4版 シラバス2018対応」があげられます。本書はAmazon等のネットストアでも購入できるので、興味があれば探してみてください。

なお日本では上記参考書も含め、Foundation Level向けはありますが、Advanced Level用の参考書はありません。

学習用のウェブサイトやウェブアプリを活用する

インターネット上にはJSTQB認定テスト技術者資格の学習が可能なウェブサイトやウェブアプリがあります。そういったものを活用して学習をすすめるのも1つの手です。たとえば、スマートフォンアプリ「テス友」では、Foundation Level に限られますが400題のオリジナル模擬試験問題が掲載されています。

また、Advanced Levelにおいては、公式サイトにて過去問解説の動画や資料が公開されていますので、参考にされることをおすすめいたします。

>JSTQB公式サイト

対策セミナーに参加する

JSTQB公認のJSTQB認定テスト技術者資格試験対策セミナーなどがあります。こういったセミナーを活用して学習を進めるのも1つの方法です。

JSTQB認定テスト技術者資格の受験方法

JSTQB認定テスト技術者資格の試験は申込受付期間に、運営実施パートナーである「一般財団法人日本科学技術連盟」の以下公式サイトから申し込むことができます。

http://www.juse.or.jp/sqip/qualification/jstqb/index.html

上記サイトの指示に従って申込手続きを行うと、後日振込案内メールが送信されます。(Advanced Levelでは書類審査が実施され、審査通過者に振込案内メールが送信されます。)メールの内容をもとに、振込先へ受験料を入金すると申込完了です。振込から10日以内に受験登録完了メールが届き、試験日の約3週間前に受験票と「受験のご案内(会場案内図)」が届きます。


2020年8月に予定されていた「JSTQB認定テスト技術者資格 Foundation Level試験」および「JSTQB認定テスト技術者資格 Foundation Level試験(テストマネージャ)」は、新型コロナウイルスの国内状況を考慮して中止となっています。

まとめ

JSTQB認定テスト技術者資格があれば、ソフトウェアテストの技術やスキルがあることの国際的な証明となります。日本では基礎レベルの「Foundation Level」の他、より専門的な知識が問われる「Advanced Level」の資格試験が行われています。

この資格取得のための勉強をすることによって、業務としてソフトウェアテストを行うのに必要な知識を体系的に学ぶことができる上に、外部にはその技術・スキルを信頼してもらえるようになり、転職の際等に有利です。